こんにちは。対談本って読みやすいし、押し付けがましくないところがいいですね。ぬこです。
さて、前回は感想Part3として、停滞ではなく選択することを優先しようという内容を書きました。
今回は、その後について注目してみました。
本書のタイトル『悩みどころと逃げどころ』という言葉の意味にもつながっていきます。
まさにその「線引き」が、人生の分かれ目だと感じました。
このPart4で本書の感想シリーズはいったん終わりにしますので、それにふさわしいようにまとめていきたいと思います!!
納得感が得られるまで、とことんあがきましたか?
今回の本
内容
17歳で世界のトップに立ちながら、自分の生きていく道は本当にゲームでいいのかと悩み、あがいてもがいて自らの居場所を見つけた梅原大吾氏。一方、「いい学校からいい会社」という学校エリートの道を歩みながら、乗っていた大きな船を降り、回り道して「いい人生」に辿り着いたちきりん氏。世界一プロゲーマーとカリスマ社会派ブロガー―居場所も考え方もまったく違うふたりが、生き方をめぐって語り合った白熱対談。いい人生はどこにある?
今回は「第7章 挫折」からの感想・考察です。今回はPart3の続きという感じになりました。
第7章では、しばしば「あがく」という言葉が出てきます。主にウメハラさんが口にする言葉ですが、これは対談している2人の人生に共通しているプロセスだと気が付きました。
- ウメハラさんは、格闘ゲーム一筋だったかと思えば、実は一度ゲームから離れています。本当にこれが自分の道なのか疑問に感じたようで、介護の仕事など、全然関係ない職業を経験した後、やっぱりゲームだと思い引き返してきたらしいです。
- ちきりんさんは、就職後いろんな分野の会社に勤めています。どの仕事も楽しかったものの、長い間自分のやりたいことがわからなかった、と言っています。昔から文章を書くのは好きだったが、ブロガーになれたのはむしろ今までの紆余曲折の経験があったからこそだと話しています。
ウメハラさんは、「違う、こんなんじゃない。やっぱりこれじゃないんだ、ゲームなんだ!」といった感じで、まさに「あがいた」という言葉にピッタリの経験を持っているんだなと思いました。なんというか、半端ではない熱量、ストイックさを感じます。
対してちきりんさんは、あがいたというより「紆余曲折した」と言ったほうが適切な感じです。
しかしここで、表現は違えどその言葉の奥には、共通してある気持ちが隠れています。
それは、「納得感」です。
多くの人がこう言います。「やりたいことがわからない」と。
この私も「やりたいことがわからない」クラブの会員です。前回にも書きましたが、それを引きずって就職活動も大変な思いをしました。とりあえずですら決められないのです。
さて、では「やりたいことがわからない」が口癖の人たちは、どうしたら豊かに生きていけるのか。
それに対し、ウメハラさんはこんなことを言います。
とにかくあがけばいい。そうすると、たとえ社会的に見て小さいコトであっても「ここだ」みたいな場所が見つかる。
例えば専業主婦だって、「この家で子供を育てて家族の世話をして生きていこう」っていうことに腹落ちしている人と、仕方ないと思って納得しきれていない人とでは、人生の満足度が違う。(「第7章 挫折」より引用)
大切なのは、納得感があるかないか。これに限るということです。
どんな結果であれ、納得感を得られれば最高だと思います。私が仕事を通して最も重視していた点というのも、フィードバックを手に入れる、ということでした。
やりたいことがわからない私にとって、仕事とは機が熟すまで生活費を稼ぐための行いであり、自分の得意なことや苦手なこと、そしてやりたいことを見つけるための手段でもあります。
お金以外のそれらを手に入れるためには、ある程度の「やり遂げた」という気持ちが必要だと考えます。自分の目に見えない部分に自信を持ち、確信に至るにはこの感情が湧き出てきてしかるべきだと考えるからです。
しかしこの「やり遂げた」という気持ちを持たずして、仕事や会社を辞めていく若手社員がいます。彼らが嫌う言葉に「石の上にも三年」ということわざがありますが、どういうことなのか、ここで少し考えてみましょう。
「石の上にも三年」の意味することとは?
私は現在社会人2年目ですが、新卒3年以内の離職率が3割あるという話は、かなり以前から聞いていました。一種の社会問題として見られるようになってきましたね。
その3割の人たちの中に、「やり遂げた」という気持ちを持って辞めた人がどれほどいるのでしょうか。
自分のやりたいことが見つかったり、逆に得意か苦手かがわかったりするのは、この「やり遂げた」に大いに貢献すると思います。あるいは、「ここブラック企業っぽいから早く辞めたほうがいいかも」と判断するのも悪くないと思います。なにより健康、命に替えられるものはないでしょう。
仕事の場合、「やり遂げた」という気持ちが納得感を生み出すことに対し、異論を持ち出す人は少ないと思います。
ある程度の「やり遂げた」という気持ちもないまま「なんとなく」とか、単に努力不足の範囲内だった場合は、十分な納得感は得られないでしょう。こうなってしまうと、転職を何度も繰り返す人になります。
「『石の上にも三年』と言うように、3年間は続けられなきゃダメだ。できないなんて言う人はただのヘタレだ」とよく言うのはたいてい上の世代の人たちです。
すると若い人はこう言い返します。「昔と今は違うだろ」と。
たしかに今は昔とは大きく異なる時代です。昔の価値観を押し付けてこようとするオジサンも多いですが、一方でこの「3年」という時間は、よく考える価値がありそうです。
この「3」という数字には、あまり意味は無いというのが私の意見です。いつかのテレビ番組で知りましたが、人間が最も認識しやすく、親しみやすい数字は「3」だそうです。なので、ぶっちゃけ2年間でも4年間でもそんなに変わらないんじゃないの?と思います。
それはともかく、仕事においてこのことわざが意味するところは、「何かをやり遂げたという気持ち、納得感をもたらしてくれる時間量は、だいたい3年くらいだ」ということなのではないでしょうか。
もちろんボケーッと仕事をしていたら論外です。
しかし、自分なりの目標を持って仕事をしているのであれば、やり遂げたかな、やり切ったなっていう思いが3年もしたらフツフツと湧いてくるんだと思います。
ぬこの「まとめ」
物事がうまく進もうが、あらぬ方向へ転がっていこうが関係ありません。
結果はどうであれ、納得感が得られたかどうかが、人生を豊かになる鍵なんですね。
私は現在休職していて、いわば足止めをくらっている状態なので、今までの自分の仕事を振り返ってみて、今後の方針を考えようと思います。
今回のこのPart4で『悩みどころと逃げどころ』の感想・考察は1度これでおしまいにします。
こうやって感想や考察を書き出すと、「読みっぱなし」を防げていいですね。そういう意味でもこのブログは長く続けようと思います。
最後に、本書はとても良い本でした。対談形式なので読みやすかったですし、なにより内容が濃いです。
みなさんもぜひ、読んでみてくださいね(*^^*)
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