
映画『PERFECT DAYS』をみた。
とても静かな映画で、セリフも少なく、厳かな印象を受けた。木造住宅の畳の部屋で瞑想しているような。そんな感覚になる映画でした。
「こんな人生を生きていけたらな」という宣伝文句があったけれど、半分わかるようでわからない気もする。
禅の思想と相性のいい作風で、それは現代のようなごちゃごちゃした世界では貴重な世界だ。でも多くの人たちが禅の精神にどっぷり浸からないのは、このごちゃごちゃした世界を楽しんでしまっているからだろう。引き算の美学と足し算の幸福。みんな豊かになりたいと思っているけれど、豊かさとは足し算と引き算、どちらに近いんだろう。
この映画は僕はとても好きなタイプだった。でもその反面、あれがほしいだのこれがほしいだのと、物欲にはキリがない。
たしかに映画のような人生はパーフェクトかもしれない。主人公には欲というものがまるで感じられない。上に位置するような人への憧れや嫉妬の視線がないし、下だと感じられるような人への見下しも皆無。これが中庸とよぶ状態なのかもしれない。毎日が流れるように過ぎていき、休日の過ごし方も固定されていて。迷いや葛藤がほとんどなさそうにみえた。そんな中でも部屋で盆栽を育てていたり、スナックに出かけたりしてそれなりに楽しんではいる。
静かに過ごしたいときとか、考えすぎててしんどいときに再び見たい。そんな映画でした。