こんにちは。寒くなってきたと思ったらまた暑くなってきましたね。ぬこです。
今回は、『悩みどころと逃げどころ (小学館新書 ち 3-1)』という本を読んでみた感想第2弾です。
▼第1弾
改めて、この本はただの対談本ではないと思いました。内容がとても濃い。
今回は
「とりあえず学校だけは行かなきゃ」論に苦しむ若者
と題し、レビューを兼ねた考察を書いてみました。
いろいろ感じるところがありましたね...。
感想 Part2
今回の本
内容
17歳で世界のトップに立ちながら、自分の生きていく道は本当にゲームでいいのかと悩み、あがいてもがいて自らの居場所を見つけた梅原大吾氏。一方、「いい学校からいい会社」という学校エリートの道を歩みながら、乗っていた大きな船を降り、回り道して「いい人生」に辿り着いたちきりん氏。世界一プロゲーマーとカリスマ社会派ブロガー―居場所も考え方もまったく違うふたりが、生き方をめぐって語り合った白熱対談。いい人生はどこにある?
「とりあえず学校だけは行かなきゃ」論に苦しむ若者
本書の第1章:学歴 の中で、ちきりんさんがこんなことを言います。
「環境に恵まれていない人ほど、『この状況から抜け出すには、とりあえず学校だけは行かなきゃ』みたいになってて、経済状況が厳しくてもアルバイトをしたり借金をしてまで学校に行く。ところがその学校は、生きていくための力をつけてくれるわけじゃない。だからますます生きる力の格差が広がってしまう。」第1章:学歴 より引用
ちきりんさんはこの後、だから大学まではとりあえず行っておいたほうがいいとは思えない、と発言します。
それに対しウメハラさんは答えます。まとめると、
そうは言っても学歴がない人が社会に出るとどういう壁に遭遇するのか、学歴のある人にはわからない。
高校や大学に行かなくても、自分で食べていける人たちはそれでもいいかもしれない。自分も大学を出なかった部類だ。でも、能力勝負の世界で勝てる人はごく僅かなのは事実であって、やっぱり自分が大学に行かなかったからと言って、他の人にも行っても意味ないよ、なんて無責任なことは言えない。
ウメハラさんは、行っても意味なんて言えない、という意見ですね。
さらにこの後、普通の人は大学まで行っておいたほうがいいと思う、と発言しています。
高学歴(たぶん)なちきりんさんと、プロの格闘ゲーマーであるウメハラさんとでは、言うことがまるで違いますね。対談本の面白いところです。
本書を読んだ数日後、NHKの番組で、経済的に厳しい学生たちの番組をやっていました。
彼らはこんなことを言っていたのを覚えています。
- 毎日アルバイトに追われ、学業に専念できない。
- ブラックバイトに捕まっても我慢して働かざるをえない。
- 退学も考えるが、それまで借りた奨学金の返済に頭を悩ませている。
私はこう思います。
「とりあえず」という軽い気持ちで学校に行ってしまうからこうなるのです。
学歴が良ければいい会社に入れて将来安泰かというと、そんな世の中はもう幻想だとよく耳にします。
私はまだ社会人2年目なので強い確信は持てません。きっとそうなのだろうと、自分に言い聞かせるようにしています。あとで「しまった...」と後悔したくないので。
いい会社に入ったって、使い物にならないと判断された”部品”は交換される運命にあります。今は成果主義の時代です。それで身体を壊す人たちも多くいることは、ほとんどの日本人が知るところでしょう。
別の記事でも触れましたが、この日本は世界一若者の自殺率が高い国として知られているのも、これと関係がないはずがありません。
ぬこの「まとめ」
頑張って良さそうな会社に入ったけどダメになって自殺した、という人がどれほどの割合なのかはわかりません。しかし少なくとも、奨学金を借りてまで卒業する価値がその学校にあるのか、自分の将来にどれほど貢献するのかは、よくよく考えなければならないでしょう。
実際に、学歴がなくても社会で活躍している人もたくさんいます。むしろ今は誰もが羨む企業をやめる高学歴な若者も見られるようになってきました。
学歴は無意味になりつつあるとは思っていません。
しかし、「とりあえず」という軽い気持ちで学校に進学するのは、今の時代かなりのリスクのある選択だと私は思います。
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