こんにちは。
わたしは2016年8月から、半年間の休職を経験しました。会社を休んでいた理由が「適応障害」です。
簡単に言うなら、軽いうつ病、うつ病の1歩手前といったところでしょうか。真面目で努力家。責任感が強く、義理を重んじる人にみられる症状です。
なお、これを書いているわたしは26歳の社会人です。会社員向けの文章になっていますので、あらかじめご了承ください。
☆追記
2017年3月に無事復帰しました。同じ会社で内勤の部署に異動しています。
2018年8月現在まで働けています。症状は治りました!
まずはじめに...
はじめに、適応障害の特徴を10個あげてみます。
当てはまる項目はいくつありますか?
- 新たな環境にとまどっている
- 最近ストレスを感じている
(うつっぽい、不安で眠れない、死を考える等) - 午前中の体調が悪くなってきた
- 「なんかおかしいな…」という体調不良が続いている
(めまいがする、酸欠感がある、頭が重い等) - やりたくない仕事をガマンして続けている
- 自身を「真面目」「努力家」だと思う
- 責任感が強い
- 義理を重んじる
- 身近に元気のない人がいる
- 仕事で疲弊している人がいる
9番と10番は他人についての質問です。自分自身が当てはまっている人は、それ以外にも該当する項目があったと思います。
以上、適応障害の特徴を10個あげてみましたが、これを書いている私は全部当てはまっています。症状は人によって違いが見られますが、わたしの場合は
- 午前中だけ体調が悪い
- 外出時に頭痛、吐き気、めまいがする
この2点がひどかったです。
わたしの具体的な適応障害の症状については、以下の記事にまとめました。参考にしてみてください。
適応障害とは
適応障害とは、ストレスが原因となったさまざまな体調不良のことです。
うつ病や不安障害というレベルまでは至っていないレベルなので、比較的軽症です。心の病とはいえ、ちゃんと完治する病気です。
しかし、軽症であるがゆえに「いつか治るだろう」と軽く考えていると、うつ病などの重たいレベルに発展することもあります。いわば「精神疾患の入り口」のような位置づけといえます。
「明らかに健康ではない症状なのだけど、精神系の病院には行きにくい…」
普通はそのような病院に行くきっかけがないので、そう思う人の気持ちはよくわかります。なので、まずはこのまま読み進めてください。次に、病院を探してみましょう。(^^)
参考にする本はコレ
ネットのキュレーションサイトが公開停止になったのは、この記事を書いているつい先日のことです。特に医学的な情報は、その信用性は重視したいもの。金儲けのために雑な情報を並べられるのは、本当に困ります。。。
このブログには、適応障害についてわたしの実体験を複数書いていますが、今回はこちらの書籍を参考にしていきます。
復帰間近になって読んだ本です。著者は、心の病を専門とする、実際の医師です。正直もっと早く読んでおけばよかったと思っています。
本の中で特によくまとめられてると感じたのは、
- そもそも適応障害ってどんな症状なのか
- どんな人がなりやすいのか
- 治療方法や薬の種類や特徴
- 医師の目から見たクリニックやカウンセラーの選び方
この4つのポイントです。これらの情報は、本当は休職した直後、あるいはその少し前からでも知っておくと良かったものでした。
今回はこの本を参考にして、話を進めていきます。
具体的なお話
さて、ここからは本の内容になぞって具体的な話をします。
「ひょっとして...適応障害?」という人のために、もう一歩踏み込みこんでいきましょう。
今回は、以下の3つのポイントに注目してみました。
- 【診断基準】医師からみた適応障害
- 【病院の話】どこに行けばいいのか
- 【手当の話】休職してもお金が給付される
上の本からの引用や内容を参考にしながら、わたしの意見を書き足しています。
どれも、「適応障害かもしれない人」から「すでになっちゃった人」にとって、大切な話です。
【診断基準】医師からみた適応障害
本の著者は医者ということもあり、その中にわかりやすい診断基準がありました。
以下に引用します。
その症状を起こしている原因である「ストレス因子がはっきりしていて」、「そのストレスへの反応が始まってから3ヶ月以内に不調が起こっており」、「親しい人との死別によるストレスではなく」、「原因となるストレスが消えてから6ヶ月以内に不調も消えている」のが、適応障害であるということです。
(中略)
診断の場では、まず他に該当する精神疾患がないかをきちんと見て、「どれにもあてはまらないなあ」となったときに、はじめて適応障害と診断せよということなのです。
いうなれば、「どこにも入らないから、仕方ない。一時的に保留箱に入れておくか」という保留箱的診断名というわけですね。
(引用:『第1章 このつらさって「適応障害」だったんだ!』より)
このように、適応障害とはいわば「うつ病未満の病」であることがわかりますね。わたしが上で『いわば「精神疾患の入り口」のような位置づけといえます』といったのも、こうした意味でした。
また、さまざまな症状が見られることから、適応障害とは“保留箱的診断名”であるとも著者は言っています。身体に例えると、「鼻水が出る」「のどが痛い」といった風邪の初期症状みたいなものですね。
だからこそ、ここでちゃんと治さないとあとでエライ目にあうわけです。
【病院の話】どこに行けばいいのか
「なんかおかしいんだよなぁ...」。そのような体調不良が1ヶ月以上も続いていて、なんとなく精神的なもののように感じている人は、心の病専門の病院に行ってみることを強くすすめます。
しかし、今までそんな病院にお世話になったことがない人がたいはんですから、みな戸惑うはずです。なので、「行ってみる」という感覚でちょうどいいと思います。
探してみると、心療内科、精神科、神経科、カウンセリングルームなどなど...。たくさんのそれらしい病院が見つかるでしょう。たくさんあってわかりにくいのですが、著者は基本的にはどこに行ってもOKだと言っています。
違いを少し詳しく書くと、こんな感じです。
- 心療内科:心の不調による身体症状に注目する。診断書や薬の処方が可能。
- カウンセリングルーム:話をきく。病気の診断や薬は出せない。
わたしは心療内科クリニックに通っていました。主治医がいて、別のスタッフによるカウンセリングも行っている病院です。上記の2点は両方満たしています。
体調不調の原因が、心(精神的な病)なのか、身体(肉体的な病)なのか。その判断は難しく、簡単に判断するのは少々危険です。
ですので、やはりまずはお近くの心に関する病院に足を運んでみて、そこで次にどうしたら良いのかの支持を仰ぐといいでしょう。
会社員でしたら、人事部に相談すると病院を紹介してくれるかもしれません。
わたしは産業医に紹介されたクリニックに行きました。
【手当の話】休職してもお金が支給される
会社員の場合、健康保険組合に入っているでしょう。
傷病手当金(しょうびょうてあて)とは、たとえば事故にあって動けない、うつ病で出勤できないなど、従業員が何らかの理由で働けなくなったとき、健康保険組合から受け取れるお金のことです。申請して受理されれば、休職中に支給金がもらえます。
その特徴は以下のとおり。
- 会社からではなく、会社が属している健康保険組合から支給される。
- 毎月支払われる。ただし初月は申請登録の事務があるため、1回目は少し遅れる可能性アリ。
- 支給額は、会社からもらっていた月給の60%〜80%。会社の規定によって前後する。
- 支払い口座は、基本的には会社の給料振込み口座となる。ただし変更が可能。
- 傷病手当金は1つの病名につき、一生で1回しか使えない(例外アリ、以下参照)。
ここで、注意点が3つほどあります。
注意点①『医師の診断書が必須』
この傷病手当の申請には、医師による診断書が必要です。
その値段は病院によって異なります。わたしの場合は4000円でした。これでも良心的な価格らしいです。
傷病手当金には働けない間の生活費という意味合いが強いですが、その中には通院費も含まれています。
したがって、クリニックには定期的に通い、しっかり治療をしてもらわなければ手当金は受け取れない仕組みになっています。
- あなた:1〜2ヶ月ごとに主治医から診断書を受け取り、それを会社に送付
- 会社:内容を確認したのち、健康保険組合に送付
- 健保:内容が正当かチェックしたのち、あなたの給与口座に傷病手当金を振り込む
このような流れです。
もし診断書を受け取れなかった場合は、傷病手当金はもらえません。受け取りや送付が遅れた場合、その分だけ振り込みが遅延します。
注意点②『申請と給付のタイムラグ』
わたしの場合、最初の給付は申請後の1ヶ月ほど経ってからでした。すなわち、その間はお金が入ってこないという状況です。
また、最初に支給されてから1ヶ月毎の給付になるため、あとで2ヶ月分まとめて入ってくるわけではありません。遅れた分が後ろにずれ込みます。
注意点③『一生で1回しか使えない!?』
傷病手当金について申請するかどうかを、休職する際に人事の方から説明を受けました。
その中で一番ビックリしたのは、「傷病手当金は1つの病名につき、一生で1回しか使えない。転職してもダメ」という話。これを聞いたとき、わたしは“脅し”だと感じました。
会社としては、休んでお金をもらえる状況を許してしまうと、それに甘んじてダラダラ休むんじゃないだろうか、と疑うのでしょう。安易に使わせないために、わざと怖い口調で言ったのだと考えられます。
これについて、心療内科の先生に直接聞いてみました。すると...
診断名はそのとき最も強くみられる症状にしますので、別の病名を書くこともあります。
なので、あまり心配しないでください。
こんなふうに説明をうけました。病院は病院で、ハッキリとは言えないけれど何か考えがあるのかもしれません。含みのある言い方でした。
主治医からは、医師による診断書は会社に対し、とても強い効力を持っていると聞きました。もちろん、どう考えてもズル休みにしか思えない状況では、医師は診断書を書きません。
過去にその先生のもとには、海外旅行に行った患者がいたそうです。もちろん書かなかったと言っていました。
社会的治癒について
もう一つ、傷病手当金がもらえるかどうかについて、わたしがネットで調べたことをまとめておきます。
それには「社会的治癒」というキーワードが関係しているようです。これは、一定期間以上の社会生活が問題なくおくれている場合、いったん治療されたとみなすという考えです。したがって、その一定期間が過ぎたのち、再び症状に見舞われたとしても傷病手当の制度を利用できるということになります。
わたしが参考にしたのは以下のサイトです。他にも、「社会的治癒 うつ病」などで検索すると多く出てきます。
さいごに
飛躍するには一度ふんばること。沈み込むことが必要です。しかしその一方で、そのまま潰れる可能性もあります。
他人はあなたが潰れても何もしてくれません。会社なんて特にそうです。優しい言葉はかけてくれるでしょうけれど、実際には退職してもらい、別の人を雇うだけです。
ここで踏ん張るべきなのか、それとも緊急避難したほうがベストなのか。両者の境界線を感じ取れるのは、他ならぬ本人、あなたしかいないのです。
適応障害は、努力家で真面目な人にみられる傾向にあります。
わたしもそうですが、そういう人ほど「進むか逃げるか」の区別は難しいのです。たとえ身体の調子が明らかにおかしくても、それを無視しつづけます。
しかし、適応障害と診断されるのはそう悪いことではありません。
わたしがそう診断されたのは2016年8月でした。この踏ん張っている状態で心にヒビが入り、適応できない環境から強制的に排除されたのです。
でもそのおかげで、さらに状態が悪化することもなく、休んだらちゃんと治りました。会社にも他部署で働きたいと伝えました。復帰して1年半、2018年8月現在も無事に働けています。
もしあのとき、心の緊急信号が身体に現れないままだったとしたら。あのまま無視しつづけていたとしたら...。ひょっとしたらうつ病になり、今もなお社会復帰が難しい状態になっていたかもしれません。
治ったわたしにしか言えないのかもしれませんが、適応障害と診断されて一時的に休止を迫られる事態は、考え方によってはそう悪いことではないのです。
他の人の適応障害ブログ
さいごに、適応障害に関する他の方の記事をリンクしておきます。
どれも実体験が書かれており、きわめて参考になる内容です。ぜひご確認ください。
ではでは。
♢♢♢
適応障害について、複数の方々から質問や相談を寄せられることがあります。
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