恋愛における「ビビッとくる」ってやつ。たまに聞くけど、そんなことは本当にあるのだろうか……。先日、ZOOM飲みをしているときにそんな話になった。
飲んでいた相手は女性。「ビビッとくる」という表現をするのはたいてい女性のイメージだけれど(偏見かな?^^;)、その人いわく「まったくわからない」のだそうで。僕と同じ意見ですこし安心。(笑)
運命の人なんて、この世にいるのか?。
そりゃぁ人口70億人をくまなく探せばいそうな気もするが、実際には探しようがない。すると、その運命の人、またの名を「ビビッとくる」人は、人生のなかの比較的若い段階で出会えるかどうか、という議論になるけれど……そんな人、たぶん出会えないよねぇ、というのがお酒を飲みながら交わした僕たちの意見だった。
ところが、最近ある1冊の本を読んでいて、この「ビビッとくる」の正体がわかった。
本のなかに、靴がほしい、という話がある。じゃあ買えばいいじゃない、というワケにもいかないのが面白いところだ。
なぜならその靴を欲している人は、はたしてお金を持たないで生活はできるのか、という実験を自らの人生でやっている最中だったからだ。
イメージは”超具体的に”
欲しい靴がある。けれどお金を使ってはならない……。ではどうするか。お金で手に入らないのならば、念じるしかない。実験をしていたドイツ人女性のシュヴェルマーさんはそう考えた。
そして彼女が実際にがとった方法は、「超具体的にイメージすること」。この、超具体的に、というのがキモらしい。
彼女は想像した。
「こんな形で、こんな色で、こんな履き心地で、サイズはいくつで……」。
細部にいたるまでイメージした。すると、あら不思議、その後イメージと”まったく同じ”靴を知人から譲り受けることになる。そんな出来事を何度も経験した彼女は、これを「宇宙に注文を出す」と名付けたそうだ。
重要なのは、細部にいたるまで徹底的にイメージすること。簡単そうに思えるが、これはものすごく難しい。一朝一夕では身につかないワザだ。
スピリチュアル的にいえば、これがいわゆる「引き寄せの法則」なのかもしれない……そのへんあまり詳しくないけど。^^;
それはさておき、ZOOM飲みが終わった次の日に、たまたま本を開いたらその話あってが書いて、あぁそうか!と腑に落ちた。
ビビッとくるとは、好みのタイプを詳細にイメージした結果なのではないだろうか。
「背の高さはこれくらいで、こんな髪型で、こんな仕事をしていて、こんな話し方をする人で……」。
そうして詳細にイメージしていた当人の前に、たまたまそれに合う人が現れたときが、まさしく「ビビッときた」瞬間なのではないか、と思った。
同時に、そう考えるとすごく辻褄が合った。
というのも、ZOOM飲みをしていた僕たち2人は、タイプの異性ってよくわからないよね、という意見でも一致していた。ということは、2人とも好みのタイプを全然イメージしていない、というワケだ。
そもそもイメージしていないのだから、それに合う人をみたってビビットくるはずないのだ!。
うぅ、とてもザンネン……。
(相手の女性は婚活をしていると言っていたから、すぐさま教えてあげたほうがいいのかな?笑)
あとはドッシリ待っていなさい!?
本来ならビビッときたはずの人であっても、ただ目の前を通り過ぎて終わってしまうだろう。
対して、「ビビッときた」という人は、たぶん可能な限り詳細にイメージしていたのだと思う。実際にそういう人が周りにいないのでわからないが、「ビビッとくる人はいると思う!」と主張する人なら周囲に何人かいるので聞いてみた。
すると、たしかに細かなイメージをもっていることがわかった。なかには「そんな都合のいい人いるかよ」とツッコミたくなるくらい、超具体的な理想を掲げている人までいた。
もう少し妥協してもいいんじゃない……?なんて僕などは思ってしまいそうだが^^;、おそらく宇宙に注文を出すのが得意な人は、妥協するなんて考えない人たちだ。
彼らには自信がある。ある人はこう言っていた。
「どんな人がいいのかちゃんと想像して、あとは待っていればいいのよ。だって向こうから現れるんだから」。
あとはドッシリ待っていなさい、だってさ。これほどにはマネできない。到底ムリだ!。
だけれども、望みをイメージできていないならば、それが目の前にあっても気が付きようがないのは確かだ。
これは大発見だと思った。
本の紹介
今回読んだ本は、東大教授の経済学者が書いた『生きる技法』だった。この本は数年前から読みたいと思っていたのに、そのこと自体をすっかり忘れてしまっていた。たまたま同僚がこの本を読んでいると話してくれていて、読み終わったというので貸してくれたのだ。
その人はこう言っていた。「本があなたのところへやってきたのよ」。
そんなわけねーだろ、と思ったものの、すぐに訂正した。数年前から読みたいと思っていたからこそ、その本の話に興味を持ったのかもしれないからだ。ものは考えよう、って本当かもな。
タイトルのとおり、この世をどう生き抜くかの技術が書かれている。
着実に論理を積み上げていくスタイルだ。論文みたいだなと僕は感じた。
とはいっても分厚くはなく、200ページもない。読みずらさもまったく感じず、誰でも理解できる言葉が並んでいる。やはり頭のいい人の書く文章はわかりやすい。
「助けてください」と言えたとき、人は自立している。
東大教授が、自分自身のために命がけで考えた。
(本の帯より)
著者の安冨歩さんは、50歳にして女装を始めたという。今でこそ輝いて活動されているが、30代まではずっと生きていくのがツラかったのだそうだ。どんな人なのか知りたい人は、下の東洋経済の記事をみるといい。
返却したあと、自分用に1冊買うと決めた。この本はマジの良書だ。
生きていくことに興味がある人には、ぜひオススメする。