僕は青が大好きです。身近な青といったら空だけど、季節によっても青空は違うように思う。夏は薄くてサッパリめ。冬は濃くてズッシリめ。
使っているカメラ『GR Digital 4』は、僕が大学生のときに買ったもの。もう10年前だ。それもあってか、気づかぬうちに経年劣化してしまったらしい。どの写真でも、右側が少し曇っているのはそのせい。
トイカメラみたいな写真ばかりだけど、このカメラは ”ちゃんとしたカメラ” なので普通に写すこともできる。
今回の写真は「ブリーチバイパス」という設定で撮っています。僕はこの設定で撮れる青がとてつもなく好きなんです。
空などの、光の強い方向へカメラを向けると周辺がガツンと落ちる。暗く、濃いブルーになる。
道路などを写すと、それでもコントラストが高く、影は黒くなり、路面の反射は白く輝いてくる。全体的に銀色が混ざったような雰囲気へ。
雨や曇の日に撮るとこうなる。
湿気のせいか、空気がギュッと縮まっているような、空気の奥行きが感じられるような、……そんな気がする。
あくまで僕の主観だけど。(^^;)
写真はたのしい。子供に戻ったみたいに、急にいろんなものが目新しく見えてくるから。
まぶしかった。丸い影があった。
鳥がいて、クレーンが見えた。
水たまりには、木が写っていた。
ただそれだけだけど、日常とはそういう「ただそれだけ」で満ちていると思わない?
これを書いている数日後がもう年末だから、今年をふり返ることもあると思う。何があっただろうか……?。
365日を詳しく思い出せないのは、「ただそれだけ」の日々がほとんどだから。
誰かが、こう言っていた。
思い出すのがつらいこともある。でも、思い出せないのはもっとつらい。
写真は記憶を呼び起こす。記憶は自分の人生の写し鏡だ。とりわけこのカメラで撮る青味の強い写真は、僕だけが見た、僕だけの記憶。
ただそれだけの日々を、全部特別にはできっこない。そんなことをしたら頭がパンクしそうだ。
けれど、毎日に自分なりの価値を見出せられたなら、人生は輝くのかもしれない。
僕はまさに、その実験中です。
カメラ:GR Digital 4