益田ミリさんのコミックエッセイ『今日の人生』を読んでいたときのこと。
その中で、ある小説が紹介されていました。
今回はその小説『パノララ(柴崎友香)』を読んだので、その感想を書きたいと思います。
パノララ(柴崎友香)
あらすじ
友人のイチローに誘われ、増築を繰り返した奇妙な家の赤い小屋を間借りすることになったわたし。
家を増築する父親や女優の母親、個性派揃いのこれの家族たち。
不思議な家で生活し、家族の過去が気になりだした頃、イチローから「たまに同じ1日が2度繰り返される」と打ち明けられ、日常がゆがみはじめる……。
感想
タイトルの『パノララ』ってなんだろうと思っていたら、パノラマ写真のことでした。作中に登場する1人の子供が、パノラマ写真をいい間違えた言葉です。
そのパノラマ写真のもつ不思議さが、この小説の日常のゆがみに繋がっていました。
ただ、全体的な感想としては、あまりおもしろくなかったかも。(^^;)
後半、残り100ページあたりで場面が急展開するのですが、といってもそれほどでもなく穏やかな流れを保っていて、ふんわり終わっていきました。
僕としては、もう少し振り回してほしいかな〜。
でも、こういう小説は自分には合わないのだなとわかって、1つの収穫にはなりました。
終始穏やかで、ちょっぴり不思議さもある作品です。
合う人には好きだろうなとは思いました。
さいごに
小説はほとんど読まないので、今回はいい機会になりました。
本の中だけの世界があり、日常があって人が生きている。まるで水族館にいるような感じがしました。水槽の中を見つめて、好きなだけ見れるしつまらなかったら通り過ぎてもいいし。今回は最後まで読みましたけれども。
久しぶりに小説の良さを味わえたと思います。
次回は村上春樹『ノルウェイの森』です。すでに図書館で予約しております。
村上春樹は『ねじまき鳥クロニクル』しか読んだことがないのでたのしみ。
ではまた〜。