3年ブログ

3年間続けようと思い、現在8年目になりました。ネコ派ですが、最近ゴールデンレトリバーが可愛いくてしかたないです。

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『水滸伝』を再読する

 

このブログを開設したのと同時期に読んでいた小説『水滸伝』。

とても印象に残っていて、再び読み始めてみた。

 

十二世紀の中国、北宋末期。重税と暴政のために国は乱れ、民は困窮していた。その腐敗した政府を倒そうと、立ち上がった者たちがいた。

 

国を、内側から壊そうとする反乱軍の物語。とても心が熱くなります。

 

登場人物がたくさんいるのですが、この第一巻で出てきた人で、僕が良いなと思ったのは薛永(せつえい)という人物。

 

薛永は薬に詳しく、剣の腕もたつ男。大道芸をやっていて、瓦を剣で切って、そのあとで薬を売る。

その見せ方が地味で、観客に薬を買ってもらうにはなかなか至らなかった。

 

「売る方法がまずいのだな」

「能がない。剣はいくらか遣えるが、自慢の薬を売る役には、なかなか立ってくれん」

「難しいな、生きるのは」

「まったくだ。俺の薬を試しさえしてくれたら、と思うのだが、誰に勧めても嫌がられる。なぜかな?」

 

剣の才能はあるものの、人を切るのは嫌いで瓦ばかりを切っている。

でも、商売目的である薬は人につけるものだし、薬を売る方法として瓦を切るのは得策ではない...。

 

薛永という人の「見せるときの不器用さ」がにじみ出ていて、それが僕自身と重なりました。

 

 

この薛永という人物は、のちに大活躍します。ようやく「自分の居場所」にたどり着くんですね。

人には人の適切な居場所があるのではないか、と思います。

 

人の生きる道、というのが『水滸伝』のテーマの一つです。

シリーズは全19巻あるので、これから一冊ごとに感想を書いていくつもり。

 

 

 

 

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