恩田陸『図書室の海』を読みました。短編集です。
ジャンルでいうとミステリアスホラーが多かったかな。
どれも過激なホラーではなくて、ほんのり謎めいた恐怖という印象。
恩田陸の作品はけっこう好きかもしれない。
一度『夜のピクニック』を読んだことがあるけれど、内容は忘れてしまったがとてもよかったことは覚えていて。
たしか高校生のときに読んだんだっけか。あの頃は勉強をしたくなくて、当時はまだ趣味でもなかった読書というやつに興じたりした。
短編集『図書室の海』のなかでは、「国境の南」というタイトルが一番好き。
これはとある喫茶店での話で、そこで働く女性店員についての物語。
その女性は働いている間、実はずっとお客さんに出しているお水のなかに毒物を仕込んでいたことが判明する。微量では人体に影響はないが、体内に多量に蓄積すると症状が現れる。
お店によく来てくれている常連さんにだけ発動するトラップってわけ。
でも、その女性店員はどうも悪気はないらしい、それはなぜなのか……というのが、この物語の味になっていた。
ほかに収録されている作品も、その多くがホラーミステリーの雰囲気がある。
ちょっぴり怖くて謎めいた物語。そういうのが好きな人にはドンピシャだと思う。
書いていたら、『夜のピクニック』をまた読みたくなってきた。
図書館で借りようかな。
ではまた。
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