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3年後の私をつくろう

振り返ったとき、このブログが転機になったと言えるように。そう願っています。

この世界に、アイは...西加奈子『i(アイ)』

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アイは自分の手を見た。じっと見た。罪に一度も手を染めたことのない、だからといって汚れていないわけではない自分の手を。(本文から引用)

 

読み始めてから1週間くらいかな、と思ったら、2週間近く経ってました(笑)

今回紹介したい、西加奈子さんの『i(アイ)』は、読み終わった時思わず「う~ん!」と声を上げたくなりました。微妙だった、という意味ではなく、いい意味です。

ネタバレなしでご紹介します。

 

この世界に、アイは...

今回の本

西加奈子『i(アイ)』 

i(アイ)

i(アイ)

 

 

内容

「この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。ひとりだけ、え、と声を出した。ワイルド曽田アイ。

その言葉は、アイに衝撃を与え、彼女の胸に居座り続けることになる。

ある「奇跡」が起こるまでは。(「BOOK」データベースより)

 

想うことはできるということ

豊かな生活を送っている私たちが考えるべき事実と、感じていたい愛情の物語です。

内容は実話です、と言われても全く驚きません。それくらいリアルな現実が、フィクションという読み物に落とし込まれています。

人によって、この本から受ける印象、内側から吹き出る感情は違うでしょう。

私はと言うと、自分がいるこの生活環境、そして自分の考えの歪みに気がつきました。

正直いって、これは気持ちのいいことではありません。自分に都合の良いことだけ記憶して、一方であまり興味のない事実にはフタをする。いつまでも気を取られてはおけないとばかりに、いつのまにか、いつもの日常に戻っていく人たちの1人が自分なんだと思うと、口の中が苦い味になります。

東日本大震災だって、もう5年経ち、来年で6年目。関東に住んでいる私は大きな揺れと、計画停電を経験しましたが、一度も東北には行っていません。私の親も、友人も同じです。

その理由は、あえて言葉にはしたくないような感情がどこかに存在するからだと、言わざるを得ないような気がします。

 

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テレビでは毎日、ネットニュースではほぼ毎秒、次々と新しいニュースで更新されます。しかしながら、自分に直接関係がない事柄だと、つい「ふーん、そうなんだ」で終わってしまう人が多いのではないでしょうか。真面目に正面から向き合うきっかけやタイミングは、なかなか訪れません。すべてに正面から向き合えるほど、人には時間もなければ考える力もないのも現実です。

ですが、知っておくこと、そして、自分がそこにいなくても、被害を被っていなくても、想うことはできるということ。これが本書からのメッセージです。

この物語は奥深く、決して表面をなぞる程度の理解ではいけない気がします。なので「分かった気になる」ことだけは避けたいので、ぜひ読んでみてください、としか言えません。

一人ひとりの置かれた今の環境で、いろんなことを感じるのではないかと思います。

 

読み方を間違えたのは、今回の反省点です。

これは今回の読書における、私の反省点です。

小説も含め、私はいろんな本を同時進行で読み進めていきくクセがあります。理由は単純で、飽きっぽいから(笑)

1つのことを長続きできない性格なので、飽きたら別の本、また飽きたら別の本、といったふうにローテーションさせながら読書をします。

ただ今回、それは大変もったいないことをしました。

2,3日で読み切るべきでした。ちょこちょこ読んでいたので、感情があんまり高揚しきれていない状態でクライマックスを迎えてしまいました(;_;)

小説は常に読んでいるジャンルではないのですが、唯一読み進めているのは、北方謙三水滸伝』。

これはとても長い長編物語ということもあって、1冊読んだらちょっとお休みする、といった読み方をしています。こっちはそれでも満足ですが、今回はダメでしたね。

小説はなるべく早く、続けて読んだほうが良さそうだな、と今更ながら学びました。

 

ぬこの「まとめ」

普段から意識していないとわからないこと、知れなかったこと、感じなかったことを、この本は教えてくれました。今回はいろんな意味で学びが多かったです。

物語の構成もよくできていて、テンポよく読み進めていける作品だと思います。

年末年始で本を読もうと思っている方、爆笑できる話や号泣してしまう話もいいかもしれませんが、しっとりと、ジーンとくる世界と向き合うのも、悪くないと思いますよ(*^^*)

ではでは。

 

過去記事はこちら

3years.hatenablog.com

 

3years.hatenablog.com

 

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