なんとなく気分が落ちている日ってある。
なんとなく気分がいい日もあるように。
晴れの日もあれば雨の日もあるのと同じだね。
今日は仕事は休み。朝からお風呂に入って、たまってた洗濯をして。
気分が良くないとき、決まって読みたくなるカフカの小説。
今朝は『流刑地で』を読んだ。
1時間程度で読めてしまう短編小説だ。
ある砂漠の真ん中にある処刑地、大きな機械がある。受刑者はベッドに横になり、身体の上に吊り下げられた針が、全身に判決内容を入れ墨していく。12時間にも及ぶ刑のなかで、受刑者は自身の罪を身体に刻まれた文字で知り、最後は針が身体を刺しぬいて死んでしまう……。
カフカの小説は、僕が仕事を休職していたときに初めてよんだ。入社1年半、いまから5年前だった。
そのときからずっと思っているのだけれど、自分が落ちているときにカフカの小説はとても優しく感じられる。
なんっていうんだろう……カフカもまた、自身がツライときにきっと小説を書くことで乗り切ってきたんじゃないかと思う。どの作品も、よくわからない状況設定ではじまって、けっきょくなんだったんだ?という終わり方をする。
主人公はストーリーのなかで右に左にと理不尽に振り回されて、最後には餓死するか自殺、あるいは他殺されて終わることが多いし……。
どうしてかはうまく説明できないけれど、とにかくメンタルが落ちているときにカフカの小説はとても読みやすい。読みたくなる魅力がある。
気分がいいときにも読めなくはないけれど、落ち込んでいるときのほうがしっくりくるかな。
こう、誰かと一緒にいたいけど誰とも一緒にいたくない、誰かと話したいけどずっと一人でいたい、何かしたいけど何もしたくない。
今日はまさにそんな日でした。