村上春樹の小説を読んでいます。
以前は『海辺のカフカ』を読んで、次にこの本『スプートニクの恋人』を手に取りました。
けっこう読みやすいですし、その割には一度読んだだけではよくわからない難解さもある。わかるのとわからないの比率がちょうど心地よいので、この人の作品を他にも読んでいこうと思っています。
『ノルウェイの森』『海辺のカフカ』でもそうでしたが、『スプートニクの恋人』でも似た要素がありました。こっちの世界とあっちの世界だとか、性的な行いがある種のカギになっていることなど。
木の根元をぐるぐると回る猫の話。
観覧車からみえた、自分のアパートの部屋にいるもうひとりの自分の姿。
別の世界が案外すぐとなりにあるのかもしれない。
普通は正常に別れていて交わらずに済んでいるんだけど、場合によっては存在してはいけない隙間を見つけてしまうこともあり得るかもしれない。
そう、まるで不思議の国へと続くウサギの穴のように。
これが最後のチャンスだ。これ以上は引き返すことができない。
青いピルを飲むと…物語はおしまいだ。ベッドで目覚め、後は好きに考えればいい。
赤いピルを飲むと…君は不思議の国にとどまる。ウサギの穴がどれだけ深いか、見せてあげよう。
忘れるな。私が見せるのは全て真実。それだけだ。
映画「マトリックス」
『スプートニクの恋人』は、レズビアンのすみれによる恋愛物語です。
だけれどそれは”あえて言えば”であって、全体としてはなんと言ったらいいのかよくわからい不思議なストーリーでした。
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