昨年読んだ本を、もう一度読んでみた。
ブログに感想を書いていなかったので、書こうと思う。
感想
まず全体を通して、エッセイの質がとても高いと感じた。
僕もこういうふうに、わかりやすくて丁寧で、内容が1つにまとまっている文章をかけたらいいな〜。
実は、エッセイストになりたいんだよね。ひそかな夢として。ブログで公表してたらひそかな夢ではなけれど。(笑)
ブログは、エッセイストになるまでの練習の場なのです。あはは。
たくさんのエッセイが詰め込まれた本書『自分の財産』のなかで、僕が一番心に残ったのは人の欠点についてだった。
「自分らしい欠点は誰でも残しておけばいい」という話で、これは欠点と思われるものを闇雲に治そうとするのはよくない、その人らしさがなくなってしまうよ、という内容。
著者は脈の早いことを気にしていて、信頼できる3人のドクターに相談した。ところが、3人とも「血圧が正常なら治す必要はない」という返答だったらしい。
その話に続けてこう語る。
人間には多分、治す必要がない、というか、治してしまったらその人でなくなるという病気のような特徴がたくさんあるのであろう。私達は、それと腐れ縁で仲良く付き合って生きていればいいらしい。
その欠点と思われることが、自分らしさであると考えればいい。著者はそのように話していた。
たしかにそうかもしれない。
自分の欠点を自分らしさの一部だと考えてしまえば、それはそのまま他人への接し方のベースになる。他人の欠点もその人らしさなのだと考えたら、寛容になれるだろう。
僕はもともと怒りっぽい性格ではないけれど、欠点をそのまま受け入れて認めることを、他人にも、自分に対しても行っていきたいと思った。
さいごに
曽野綾子さんの本を読んだのは初めてだった。
エッセイとしても完成度がとても高いし、なにより日常を見つめる目の鋭さが素晴らしい。
ブックオフで100円だったけど、100円にしては十分な内容だった。
古本はこういう楽しみがあるよね。
お金ではない財産が、こんなにあるんだと思った。
歳を取るたびに読んでみたい1冊でした。