例えるなら、夕暮れの浜辺のような小説でした。
オレンジ色の太陽と、穏やかな波と、犬の散歩をしている老人がいるような。
なにがどうなってこうなって、という物語ではなくて、ただ静かにそこにあるもの、という印象です。
感想
家庭裁判所の調査官として働く主人公。犯罪をおかした未成年と接していくんだけど、少年たちの罪に対する考え方や感じ方がうまく描かれています。
この本を読んで知ったのですが、大人の犯罪は「罪を償わせるもの」であるのに対し、未成年者の場合には「更生させること」がゴールになるそうです。
本の中でも「未成年だからといって罪を償わないで社会に復帰するのは許せない」というようなコメントが出てきますが、扱いの難しいテーマだと思いました。
また、物語で車で事故を起こしてしまう少年が出てきます。無免許運転だったり不注意だったりするのですが、僕自身がつい最近運転するようになったので、リアルに怖くなりました。
自分自身も事故を起こす可能性は十分にありますから、よりいっそう運転には注意しないといけないと強く思いました。
さいごに
『アヒルと鴨のコインロッカー』に引き続き、伊坂幸太郎の『サブマリン』を読みました。
この人の物語の描き方がいいな、と感じています。一番最初に書いたような、まるで夕暮れの浜辺みたいな印象です。やさしくて穏やかな……うまい言い表し方が思いつきませんが、「なんかいいよな」というのが正直な感想です。
それにしても、この僕自身の本を読んだ感想というのが、なんともレベルが低くて残念になります(笑)。これじゃあ夏休みの小学生が書いた読書感想文にも及ばないのではないか……。
といいつつも、ブログというのはあとで自分が読み返して「あぁそうだったそうだった」と思い出す役割もあるので、あまり文章レベルは気にしないようにしています。
次は伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』を読みます。
ではまた。