恋愛ってなんだろう。
寝る前に、自然と思い出していた。
さっきまで時計の針は1時を指していたのに、いまはもう2時を過ぎてる。隣の部屋からも音は聞こえてこない。みんな寝静まっている。聞こえるのは時計のチクタク鳴る音と、冷蔵庫の機械音だけ。
照明も消して、机に置いた小さなLEDランプだけが灯っている。そんな中、僕は1時間以上も想像していた。
恋をしている。
その人とは、思うようには会えない。
ラインでメッセージを送ることもできない。
昨年、告白をしたけれど、フラれてしまった。
そのときはあまり悲しくなかった。伝えられたことによる達成感というか、背負っていた重荷をおろした感覚があった。返事はごめんなさいだったけど、受け止めてくれたことはわかったから、それだけでも嬉しかった。
あれからそろそろ3ヶ月経つけれど、今もまだ嬉しく思っている。フラれたというのに。不思議な気分。
一緒にいるときは、ぎこちなかった。好きなのかどうかさえ自分でもわからない心模様だった。ハッキリ自覚できたのは、昨年仕事をしていた長野県から離れて、関東に引っ越してきてからだった。
想像してしまう。
デートをするとしたら、どんなコースだろう。一緒にご飯を食べたらどんなだろう。一緒にお茶するなら、どんな話をするのだろう。
お風呂から上がって、ほてった身体を冷ましながらイスに座っていて、気がついたらそんなことを考えていた。いつのまにか1時間も過ぎていたことに、ついさっき知った。
恋愛ってなんだろう。
これには正解はないんだと思う。
今度お付き合いする女性が、または結婚する女性がその人でなければならない理由はない。人は変わっていくものだ。僕の場合、少なくともフラれたという事実がある。別の女性を考えたってなにもおかしくはない。
多くの人にとってみれば、こんなことは大した話ではなく、気軽に考えているのかもしれない。フッた側も、フラれた側も。
僕にはあまり恋愛経験がない。そのせいで大げさになって、感傷的になっているだけなのだろうか。
これを過去記事として数年たったあと自分が読んでみたら、どう思うんだろう。恥ずかしくて消してしまう? それとも、今と変わらない状態なのか。あるいは誰かと結ばれており、こんなことを書いたこと自体を忘れ、読んでみたら面白おかしく笑ってしまう?。
いずれにせよ、今の僕はこの文章を、正面から精一杯の気持ちで書いている。
もう2時30分になってしまった。あくびが出た。そろそろ寝ようと思う。
僕は本当にあの人のことが好きだ。だから、できればあの人の笑顔をとなりで見ていたいし、笑い声をとなりで聴いていたい。けれどもそれらは、2番めに望んでいることだ。
1番望んでいるのは、あの人が笑顔であれて、笑い声を周囲に撒き散らしている状態だ。たったそれだけを僕は望んでいる。隣にいれないならそれはとても残念ではあるが、僕じゃない別の人のほうが適しているなら、その人がとなりにいてくれたらいいと思う。
恋愛ってなんだろう。
いろんな答えがあるだろうけど、今の僕には、相手を思う究極のあり方なのかもしれない、と思った。
良い人と出会えることを祈っています。