図書館で交渉についての本を何冊か借りまして、順番に読み進めています。
今回読んだのは、『大学生のための交渉術入門』という単行本。
比較的薄かったし、読みやすいのかなぁと思ったら……すごいしっかりしてて面食らった。(笑)
交渉の入門本!
内容について、表紙にある解説を引用します。
「協調(コラボレーション)」で問題解決!
大学生活で生じるさまざまな対立・衝突を、お互いが満足するかたちで解決するにはどうすればよいのか。
そのための「協調的交渉」の理論と実践を、サークル、アルバイトなどの身近な事例を題材にわかりやすく解説。
交渉って難しい?
交渉というと、どこかビジネスマン同士の難しいやり取りを僕はイメージしていました。
でも、こんな「サークル」とか「アルバイト」などでも立派な交渉が発生するんですね。
たとえば、塾講師のアルバイトだとこんな感じ。
学習指導以外にも教室を良くしていきたいAグループと、バイト代が出る学習指導だけをやればいいじゃないかと考えるBグループの争い。
こういうときってたまにありますよね。
で、相手を批判しあったり、ウヤムヤにしてなかったことにしたり、一方が諦めたり……。そんなことって、大小の差はあれど、日常生活のなかでは意外とあったりします。
僕は交渉について、ものすごくニガテ意識を持っています。
相手の意見を聞きつつ、こちらの意見もしっかり述べないといけない。
相手の意見を聞けば自分の意見が揺らいでしまったり、自分の意見をいえば「ちゃんと聞いてくれているのだろうか」「相手を批判していないだろうか」なんて不安になってきます。^^;
この本では、そんな僕にも理解できるように、交渉についての流れや注意すべきことが整理されていました。
なかでも一番「読んでよかった!」と思えたのは、交渉におけるもっとも大事な姿勢について書かれていたことです。
交渉で大事な姿勢
交渉においてもっとも大事なこと。
それは、問題に対するお互いの姿勢です。
こんなふうに、「私たち VS 問題」であって、「私 VS あなた」ではないのです!。
僕はこのことをわかっていたつもりですが、いざ交渉の場(なにかについて話し合う場)になると、これを忘れがちになることに気が付きました。
この本にある題材は、大学生のやり取りばかりです。アルバイトでの交渉とか、サークル内での出来事の例がたくさん載っていました。
題材がやさしいので、ビジネス界のわかりにくさや、とっつきにくさもありませんでした。
また、交渉がうまくいかないときに注意すべきポイントもいくつか触れられています。
なかでも「氷山の一角」という話は人と会話するうえでもとても大切な要素でした。
氷山の一角+自分フィルター
いまキャリアコンサルタントの勉強をしていて、これとまったく同じことを学んでいます。
というのも、目の前にいる相手からわかることは、相手にとっては氷山の一角なんですよ、ってお話です。
人は自分の一部しか外へ表現していません。
言っていることがすべてではない。それは誰もがわかっていることです。なのに、いざ会話になったり交渉になったりすると、あたかも自分が知ったことが相手のすべてだと錯覚するようになってしまいます。
いつもいつも気をつけておかないと、勝手に決めつけてしまうのですね。
さらに厄介なのは、相手の一部しか見えていない部分について、自分のものの見方で判断してしまうことです。
よって、「あ、この人はきっとこう思っているに違いない」だとか「こう言ってくるということは、私のここが気に入らないんだな」と解釈してしまう……。
難しいですよね。書くのはかんたんなのですが。^^;
でも、書いたり読んだりすることで原点に戻るというか、「あ〜そうだったそうだった!」って気がつければいいのかなって思います。
「私は氷山の一角+自分フィルターで判断しているんだ」ということを、なんども意識して、自然と身につけていきたいですね。
さいごに
交渉というと、すごく難しく聞こえるのですが、僕たちは日常的にやっていることです。
なのに、交渉についてちゃんと教わることがないのは不思議といえば不思議です。
買い物でかんたんな計算ができなきゃ困る。だから算数を習う。なのに、交渉についてはまったく学ばずに大人になってしまう。
科目として学ぶことではないのかもしれませんが、学校や社会に出てから、イチから身につけるためのちゃんとした機会もないのも事実です。
ただの会話ならある程度の自信はあっても、問題に向き合うやり取り(交渉)になると、とたんにどうしたらいいかわからなくなります。
ニガテ意識はそうかんたんには消えませんが……また複数の本を読んで、学んだことをブログに書き出しながら身につけていきたいと思っています。
ではまた〜。