冒険心に満ちあふれた科学者の本『水は答えを知っている②』
この本は、前編『水は答えを知っている』の続きです。
前作が水の見せるさまざまな表情について語られており、今作は複数テーマが散らばったような内容になっています。実験の難しさ、幸せとはなんなのか、そして目に見えない存在……など。
今回は、そんな2冊目の感想を書きます。
『水は答えを知っている②』感想
江本さんが水の結晶に着目するまでの経緯と、その実験結果、そして量子力学について書かれています。
ほかにも幸福についてだったり神の存在だったりと、前作と比べてテーマが豊富でした。
波動のはなし
量子力学は、現代科学の最先端分野の一つです。
物を細かく分けて見ていくと、すべての物は原子のカタマリでできていて、さらにそれは原子核の周りを陽子がクルクル回っています。
つまり、すべての物体は常時動いているというわけです。机もカバンも、氷すら。そしてそれが振動であり波でもあるので、波動と呼んでいるんですね。
スピリチュアルの話でも、たまに波動というワードが登場します。
今の科学はそういった目に見えない分野の研究がホットになっているので、これまでスピリチュアルだとされていた話に科学が食い込んできているのですね。
人と人が惹かれあう恋愛も、波動的に解釈しているページがありました。
読んでておもしろかったですよ。
現代科学の壁
量子力学には、研究がなかなか進まない壁があります。
不確定性原理と呼ばれるもので、電子を観測しようとすると、そのたびに違う動きを見せるのでちゃんと観測できないという内容です。
データを取るためには、データを取得する機械を使わないといけません。
ところが、電子のような小さい存在を観測しようとすると、機械から何らかの影響を受けてしまい、正しく観測できないそうなんです。
ところで、僕は大学で物理学を学んでいました。
似た話を大学の講義で聞いたことがあります。科学の進歩には何が欠かせないかという講義で、それは計測器の精度だと先生は力説していたのを覚えています。
小数点第何位まで判別できるのか。これが一桁下がるたびに、より細かい測定が可能になり、より小さな世界をリアルに観測できるのです。
科学の進歩には、測定器の精度、そして観測物に影響を与えない独立性が求められます。
ただ、数値で証明できることだけが世の中をつくっているわけではありません。
昔から、よくわからないがなぜかそうなる、という話は数え切れないほどありますし。
「ありがとう」を見せたときと「ばかやろう」を見せたときで、水の結晶が明らかに違うというのもそうした例に含まれます。
目に見えない存在
最後のほうでは、目に見えない存在、神の話になってきます。
どんなものにも人が感じとれる世界と、そうでない世界があるのです。むしろ、人間が五感で近くできるのは、この世界のほんの一部にすぎないともいえるのです。
たとえばコウモリは、人には聞こえない超音波で障害物を避けます。
イルカは、超音波で会話をしているなんて聞きます。ほんとうに会話をしているかどうかは、イルカに聞かないとわかりませんが。(^^;)
意識や生命体でも、五感で感じとれる存在と、そうでない存在があるのではないでしょうか。
私たちのように目に見える肉体をもっていない、高い周波数の意識というものが存在していたとしても、まったく不思議ではありません。
森羅万象すべてについている神とは、そうったものではないかと推測できるのです。
ある手段をもってすれば、こういった高い波動をもった存在とつながりをもつことができます。それが祈りであり、言霊でもあるのです。
もしかすると、科学者こそこういう目に見えない世界を信じているのかもしれません。研究すればするほど、知らないことわからないことが増えていくのですから。
これとは別で生物学の本を読んでいたとき、こんな話がありました。
こんなに小さな細胞のなかに、人体すべての情報を記録し、それが2重らせん構造にして小さく折り畳まれている。人の手では絶対にできない。それをやった存在を神と呼ぶのかもしれない。
この世界は不思議でいっぱいですね。
さいごに
「類は友を呼ぶ」とか「虫の音がきこえた」という表現があります。
昔からなぜかそうなる、なぜかわかったという出来事が人々の間で語り継がれてきたわけですが、今後の科学の進歩により、ついに科学的に証明できる日がくるのかもしれません。
なんだか夢のある話です。
冒険心に満ちあふれ、試行錯誤しながら研究に没頭する科学者の本です。
ここでは触れなかった幸せについての感想は、また別で書きます。
読んでよかった2冊でした。