3年ブログ

3年間続けようと思い、現在8年目になりました。ネコ派ですが、最近ゴールデンレトリバーが可愛いくてしかたないです。

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もんにょりする読後感。『ダンス・ダンス・ダンス』感想

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村上春樹氏の小説を読んでいます。

「ノルウェイの森」「スプートニクの恋人」ときて、今回は「ダンス・ダンス・ダンス」。

感想を書こうと思いますが、僕にとってこの作品はあまり好きではなかったです。

 

感想

いろんな人間に会った。いろんな人間が死んだ。
ねえ、君は僕を呼んでいたんだろう?
そして君が僕を導いたんだろう?

 

昔に訪れたホテルを舞台に、いくつかの世界を行ったり来たりする物語です。

 

感想ですが、ちょっと冗長な印象を感じました。途中からナナメ読みしてしまって、だからこそ読み終わっても特に残るものもなく。

でも、この人の小説に共通している後味、なんというか、「もんにょり」するような感覚といったらいいんでしょうか……それは健在でした。

 

「もんにょり」というのは僕の表現なのでわかりにくいかもしれません。

まぁつまり、サッパリスッキリしない感じ。あれは何だったんだろう、結局あれはどうなったんだ?っていうのが残り続ける。

でもそれは残ってはいけない類ではなく、それはそれとして残り続けていいものなんです。だから2回め3回目と読み返したくなるのでしょう。

 

今作は「羊をめぐる冒険」の続編らしいです。

僕はこれを知らなかったので、次は羊の方を読みたいと考えています。

 

さいごに

小説は別世界の物語だから、現実で直接人に言われるよりも場合によってはメッセージが強く伝わることもあります。

 

以下、「ダンス・ダンス・ダンス」で今の自分に響いた文章。

こういう文章(人物が言ったセリフ)に出会えるだけでも、小説を読む価値はあると思いました。

 

「みんなはそれを逃避と呼ぶ。でも別にそれはそれでいいんだ。僕の人生は僕のものだし、君の人生は君のものだ。何を求めるかさえはっきりしていれば、君は君の好きなように生きれば良いんだ。人が何を言おうと知ったことじゃない。そんな奴らは大鰐に食われて死ねば良いんだ。

僕は昔、君くらいの歳のときにそう考えていた。今でもやはりそう考えている。それはあるいは僕が人間的に成長していないからかもしれない。あるいは僕が恒久的に正しいのかもしれない。まだよくわからない。なかなか解答が出てこない」

 

 

 

 

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