村上春樹氏の小説を読んでいます。
「ノルウェイの森」「スプートニクの恋人」ときて、今回は「ダンス・ダンス・ダンス」。
感想を書こうと思いますが、僕にとってこの作品はあまり好きではなかったです。
感想
いろんな人間に会った。いろんな人間が死んだ。
ねえ、君は僕を呼んでいたんだろう?
そして君が僕を導いたんだろう?
昔に訪れたホテルを舞台に、いくつかの世界を行ったり来たりする物語です。
感想ですが、ちょっと冗長な印象を感じました。途中からナナメ読みしてしまって、だからこそ読み終わっても特に残るものもなく。
でも、この人の小説に共通している後味、なんというか、「もんにょり」するような感覚といったらいいんでしょうか……それは健在でした。
「もんにょり」というのは僕の表現なのでわかりにくいかもしれません。
まぁつまり、サッパリスッキリしない感じ。あれは何だったんだろう、結局あれはどうなったんだ?っていうのが残り続ける。
でもそれは残ってはいけない類ではなく、それはそれとして残り続けていいものなんです。だから2回め3回目と読み返したくなるのでしょう。
今作は「羊をめぐる冒険」の続編らしいです。
僕はこれを知らなかったので、次は羊の方を読みたいと考えています。
さいごに
小説は別世界の物語だから、現実で直接人に言われるよりも場合によってはメッセージが強く伝わることもあります。
以下、「ダンス・ダンス・ダンス」で今の自分に響いた文章。
こういう文章(人物が言ったセリフ)に出会えるだけでも、小説を読む価値はあると思いました。
「みんなはそれを逃避と呼ぶ。でも別にそれはそれでいいんだ。僕の人生は僕のものだし、君の人生は君のものだ。何を求めるかさえはっきりしていれば、君は君の好きなように生きれば良いんだ。人が何を言おうと知ったことじゃない。そんな奴らは大鰐に食われて死ねば良いんだ。
僕は昔、君くらいの歳のときにそう考えていた。今でもやはりそう考えている。それはあるいは僕が人間的に成長していないからかもしれない。あるいは僕が恒久的に正しいのかもしれない。まだよくわからない。なかなか解答が出てこない」