このまえ、「あなたを正社員として雇います」という労働契約書を受け取り、無事サインした。製造業の企業に転職してそろそろ半年が経つ。
『就職先はネジ屋です』は、新卒でねじ会社に就職した女の子の話。
僕が小説に求めたいのは、グイグイ引き込まれる深さのあるストーリーだ。この小説はどうだったかというと、そうしたグイグイさはあまりなかった。とてもライトな展開で、好みとはなんか違うかなーと感じながらも、ライトであるがゆえに読みやすかった。
いつも、小説は始業時間前に読む。会社に1時間ほど早く出社して、一人食堂でコーヒーを飲みながら本を開いている。
スラスラ読めて、展開も穏やかで軽い文筆。それは適度な没頭状態になることができて、案外悪くないと思った。
主人公は持ち前のパワフルさをいかし、新規飛び込み営業などガンガンやっていく。むしろ、そういうことを勝手にやってしまうことを上司から怒られる始末だ。僕にはそういう力強さはないけれど、その人の持ち味とは勝手に出てしまうものなんだろうな~なんて思った。
僕の持ち味はなんだろう。
勝手にやってしまうこと、やっていること。
勉強かな。
特に未経験だから、いつも怯えている。業務が怖い。それが募ってくると、お腹が痛くなったり過呼吸になったりするのだと思う。
で、そういうふうになりたくないので、勉強する。製造業の企業なので、機械の種類とか特徴とか、知っておかねばならないことは山ほどある。それを知ることはイコール不安要素を減らしていくことになるため、僕はけっこう進んで勉強している。それは持ち味といえるのかもしれない。
この本をおすすめしたい人は、
- 新しい仕事につく人
- 子育てしている人
かな~。
新しい仕事につく人には、この小説はそのまま重なる。物事を大きく受け止めないで、まるで小説の中のように自分自身を見ることができれば、新たな環境に慣れていくための追い風になっくれると思う。
子育てしている人というのは、今ぱっと思いついた。
なぜなら、この本は短時間でテンポよく読めるし、主人公は実は母親が経営する会社に就職することになる。母と娘のやりとりが、特に後半部分に多く登場する。「この子が大きくなったら自分はどんなことを語ってあげられるかな」なんて考えながら読めるとたのしめそうな気がする。物語は明るい展開なので、深刻に考え込むきっかけにはならないと思うのでオススメ。